魚市場から医療現場へ

 かかりつけ医の話を伺ったときに、へぇ〜と思った。「複数の専門家が診てくれるけれど、誰も責任をとってくれない」医療難民が多い。だから、がんなどで専門病院に行く前から患者さんと終末期には相談をしておいて、不安をかかえてもどってきたときに、どうするかいっしょに考え、専門病院とも連絡をとる。先生は「何をしても責任がなく、前の病院を辞めた」そうだ。そして24時間患者さんが待つかかりつけ医を選んだ。もっとも、患者を待たせない。診療所に行く前、帰り道に患者宅に顔をだす。「コールがある前に自分から」。その方が自分でcontrolできるのだ。

 では、病院で1役割を果たしていく(最終的に責任をもって、やりがいをもって働くことは困難なのだろうか)には、どうしたらいいのか?
 明確な回答はなかったが、「フィッシュ・・・」と先生はおっしゃた。

 米国西海岸シアトルの魚市場「パイクプレイス魚市場」のオーナーと従業員が「世界的に有名な魚市場になろう!」と決心し、生み出された哲学を「フィッシュ哲学」という。早朝から深夜まで立ちっぱなし、魚を陳列する氷と格闘して腰も冷える、辛くて単調な魚市場の仕事をこの「フィッシュ哲学」でやりがいのある職場に大変身した。

Fish!: A Remarkable Way to Boost Morale and Improve Results

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「Play」遊び心で、仕事に遊びの要素を入れて楽しく働こう
「Make Their Day」人を喜ばせる、顧客満足はまず客を楽しませることから
「Be There」注意を向ける、今そこにある仕事に誠心誠意集中する
「Choose Your Attitude」辛い仕事も自分で決めればやりがいも出る
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 慈恵医大病院からの報告はこちら。
 どうでしょう。医療現場向きに理論?
 ご講義ありがとうございました。