薬害を覚悟する本 8)天才科学者が考えることをやめたとき

聞かせてよ、ファインマンさん (岩波現代文庫)

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 ファインマンさんがご存命なら、こんな講演をするのだろうな!というものすごいメッセージの数々。エピソードは、どれもすごい。わかっていることのつながりなのに、途中でミラクルがおこるのだ。知識って、こうやって使うのか、と感心してしまう。博士の愛した数式の挨拶『「君の靴のサイズはいくつかね?」。深津絵里さん演じる家政婦が「24です」と答えると「実に潔い数字だ。4の階乗だ」』「家政婦が「24です」と答えると「実に潔い数字だ。4の階乗だ」といったを思い出してしまう。
 しかし、天才科学者が考えることを止めたとき、どうなるか。

(爆弾への招待)
 僕が道徳に背くと思われるようなことをしたとしたら、それはこの計画に参加したときのそもそもの理由を、思い出さなかったことだろう。ドイツが負けてその理由がなくなったとき、そんなことは念頭にも浮かばなかったんだ。僕は考えることを止めていたんだな。

 そのことを記してくれたことが、警鐘。

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