はじめてを受け入れるEBM合宿

 新宿から1時間ちょっと。仕事を忘れて、紅葉を待つ森の中で、読書をしながら湯につかる。箱根は、1人の私も、大勢の仲間たちも受け入れてくれる強い美しさがある。あの小さな湯本の駅に、毎日何人の観光客が行き来するのだろう。

 3回目のEBM合宿。

 新人たちは、もうすでに勉強を少ししてきているようで、スムーズに1日目が終わる。
 私は、はじめてのサブチュータ。

1)参加者というポジションでいる
2)チューターからヘルプがあったときに、発言する
3)自分も楽しむ

 サブチュータのスタンスは、この仮説で。あくまでグループのなかにいるときには、チューターのコントロール下で。チューターがグループの輪を解いたときや、中断してチュートリアル会議になったときに、意見を言う。そして、自分も楽しむ。

 今回の参加者たちも、自らのモチベーションで参加していることが、よくわかる。無理な熱さも、空白のやらされ感もない。来たいから、来た。足のついたモチベーションでいいのだと思う。

 ゼロイチ思考で済まさずに、教育のことを考える。勝間和代さんが、朝日新聞で、めずらしくぼんやりとしたメッセージを書いていた。

 さまざまな物事には明確な成功や失敗の定義などありません。だから、ゼロイチ思考で考えない。この言葉は、人生のあいまいさを楽しくしてくれます

 ゼロイチで考えないためにも、はじめて体験はとても重要だと思う。はじめてのとき、人は緊張をするし、どうしていいのかわからない。今では、自分で期待するゴールを大まかに描いて、失敗してもいいので、仮説を考えて、動いてみることをオートマティックにやっている。
 しかしそれでも、はじめては怖いのだ。
 だから、はじめて体験は意味があるのだろう。

 来年もまた、はじめての方々と出会えることを楽しみに。