自分に適切な目標を

 「あれも、これもと思ってもできないものですよね〜」とその老婦人は、百貨店の2人きりのエレベータのなかで、私に向かってにっこりと微笑んだ。

 帰宅して、ブログに書き残した空白の日付に記事を埋めることをやめた。2009年1月以来「土曜日と休祝日以外は、毎日書く」という単純な目標にむかって、「筋肉は、負荷を与えただけ応えてくれる」と村上春樹がいうように、走りつづけた。しかし、あれもこれもはできない。

 できなかったことは、差分として受け止めよう。そう思い直した。


(ブログを1年間つづけてわかったこと)
・毎日書くことは、案外難しい
・書きためた情報を、読める形にすることにもパワーが必要
・毎日50人くらいの方々が見てくれている(ありがとうございます)

(さらに向上できるなら・・・)
・どうすれば毎日書けるのか?という工夫
・読める形とは、自分がふり返ってもわかる形。脳から手に、ダイレクトにアウトプットする術は?
・結果として、毎日100人の方々と考えることを共有できたら・・・

 自己実現と社会貢献の2つがないと、自分のなかで生きつづけられる目標にならない。それは、昨日秩序と関わりで書いたことと一緒だ。1年をふり返るごとに、昨年の自分の小ささに気がつく。
 老婦人のように、ゆっくりと笑顔で過ごす。おしゃべりができるくらいの余裕で走ること(LSD;long slow distance)。

 コンテンツも、集客も考えていない勉強メモに、多くの方々に訪れていただいたことに感謝いたします。来年も、よろしくお願いいたします。


*「適切な目標で“実る努力”をしよう ― 勝間和代さん」、2009年日経

 適切な目標を立てて振り返る。ビジネスパーソンに必須の行動習慣を1つ挙げるとしたらコレです。目標を明確に定めることは、戦略の立案と同じ。最初に決めた目標によって、その成果は8割方決まります。つまり、目標が適切でなければ、どれだけ努力しても実らないのです。ですから、最初に“適切な”目標を定めることは、極めて重要です。具体的には、年初に手帳に今年は何をするかを書き出しましょう。

 適切な目標の立て方が分からない人は、「SMART」の文字を基に考えてみてください。Sは「Simple:余計なものを省き、簡単にする」、M は「Measurable:測定できるような数字にする」、Aは「Achievable:容易ではないが、頑張れば達成できるもの」、Rは「Result- based:結果を成果として表せるもの」、Tは「Time-oriented:期限を明確にする」。

 「SMART」な目標設定ができたら、自分の行動がその目標に沿っているか、自分の資源がその目標表現のために正しく配分できているか、常に確認しましょう。気をつけていないと、懸命の努力が目標と合わないばかりか、目標から大きく遠ざかることさえ起こります。「頑張れば報われる」という言葉はある意味正しくありません。「適切な目標に向かって適切に努力すれば報われる」が正確な表現だと思います。

 目標は「利己的な目標」と「利他的な目標」のバランスを取るようにすること。自分の能力を高めるだけの利己的な目標、例えば「TOEICで800 点を取る」といった目標は、達成後に満足はするものの「で、次はどうする?」と将来につながりません。ですから、利己的な目標が将来どのような利他的な目標になるかを考えてみてください。そうすることで、「TOEICで800点を取り、国際機関に就職して、アフリカで貧困層の問題を解決する」というような適切な目標設定が可能になります。

走ることについて語るときに僕の語ること

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