「くださいっ!」といわれた私のノート


(MotoNesu Original)

1)共有可能なゆるやかなテーマのもとで
2)聞き手と話し手で担われる
3)創造的なコミュニケーション行為
(『ダイアローグ 対話する組織』中原 淳, 長岡 健)


 4月に震災支援したスタッフ。すでに薬剤師業務は窮地を脱し、歓迎会まで催され、本人は拍子抜けして戻ってきた。そして病院から「震災支援報告」の依頼がきた。当惑する様子が予想できたので、「どうする?」と聞いてみた。本人の顔はすっきりしない。



 ここは勝負だな、、、と思い、「5分時間もらっていい?」と承諾もらう。
 「ここに、あなたがいて、行く前は、どんな気持ちでした?」、「どうして支援に行こうと思ったの?」「行ってみてどうだった?」。ゆっくりと話を聞かせてもらった。どうして?(Why so ?)を5回掘り下げ、どうだったの?(So what ?)もセオリー通り5回昇天させた。そのなかで、でてきたエピソードの数々を、私のノートに描きとった。書いたのではなく、描いた。



 終わりに「このノートは乱雑だけど、いまの話をフィードバックするよ」と本人に私の言葉で返す。1人:1人ではなく、1人:ノート:1人で。自分が震災支援をしてどうだったのか?、意味が表出して、意義が見えてきた。終わりに彼女は、「このノート、ください」と私に言った。



気づき)
 ・医療支援と自分の気持ち、もう一度内省してみてほしい
 ・コーチングのプロが、病院に一人いたらいいのに
 ・私のできる限りの小さな関わり

ダイアローグ 対話する組織

ダイアローグ 対話する組織

■はじめに 「対話」のもつ可能性
 
■第1章「伝わらない」組織
 導管メタファーからの脱却に向けて

・なぜか「伝わらない」職場コミュニケーション
・組織が抱える悩みに共通する問題とは
 「わかるんだけど、腹に落ちない」
  一方通行のコミュニケーション
・「後はメールで」メール文化の危険性
・失われゆく企業文化
・ビジネスの現場を支配する導管型コミュニケーション
・導管メタファーというコミュニケーション観
・教育現場の原風景――導管型コミュニケーションの典型例
・情報化の進展に導管メタファーが果たした役割
・人の変化を起こすコミュニケーションとは
・導管メタファーでは「伝わらない何か」
・情報の移動から人の変化へ
ストーリーテリングの効用と限界
・ストーリーで語ることで「伝わる」もの
・人間の知的活動とストーリー
・人はストーリーで理解する
・モノローグ・ストーリーテリングの限界
・組織における対話の重要性
・運動会と飲み会で思いは共有できるか
・緊密なコミュニケーション=よい職場、という幻想
・対話(ダイアローグ)というコミュニケーションの可能性
 
 
■第2章「対話」とは何か?
 社会構成主義的なコミュニケーションの理解と実践

・対話が求められるビジネス環境
・早く走る時代から、深く考える時代へ
・対話へのアカデミックな視座
・意味が人の行動を方向づける
・人はコミュニケーションの中で意味を紡ぐ――社会構成主義
・客観主義、主観主義・・・対話の位置づけ
・対話というコミュニケーション行為
・対話とは、聞き手と話し手が行うコミュニケーション行為
  「雑談」とは、どう違うのか
  「議論」とは、どう違うのか
・議論の限界と対話の可能性
 パブリックカンバセーションプロジェクト
・対話が生み出す理解の相乗効果
・他者に語ることで、自分自身が見えてくる
・自由なムードを保ちながら互いの違いを理解する
 
 
■第3章「対話」が組織にもたらすもの

・組織にとっての対話の意義 - 三つの効果
・協調的な問題解決が可能になる
・多様性に摩擦は付き物
 「議論」で協調的な問題解決は可能か?
 「問題解決」から「問題設定」へ
 「突貫工事のエキスパート」の悲劇
 「対話」による問題解決が根づくトヨタの事例
・知識の共有
 本当に必要な知識は流通しているか
 なぜ知識の共有は困難なのか
 知識共有と経験の語り合い
・知識共有はネットワークとして達成される
・対話による知識共有の意味
・ネットワーク構築が効果を発揮する
 アサヒビールの事例
・組織の変革
・組織を動かす見えない力
・組織文化は日常に根ざす
・語り合うことを重視するデンソー・スピリット
・変革を誘発することへの意識
・実践と対話を結びつける花王のワークショップ
・対話による組織変革にひそむ問題
 
 
■第4章「対話」による新たな学び
・対話をめぐる知的探求の旅
 から見えてきたもの
・対話による「変容のプロセス」こそが、学びの本質
・オープンなコミュニケーションの実現に向けて
・効率的なコミュニケーションと
 緊密なコミュニケーションの問題点
・価値観共有、主体性発揮、そして「第三の道」へ
・成熟した大人の学びの実現に向けて
ビジネスパーソンにとっての学びとは?
・Leaning bar(ラーニングバー)での新たな学び
・学びのサードプレイスをつくる
・サードプレイス(第三の場所)という概念
・インフォーマルでパブリックな「学びの場」
・対話」による新たな学びの可能性を信じて

■おわりに――ダイアローグ・オン・ダイアローグ