いちばん困難なのは「組織内の公平性」かもしれない


(iStockphoto)

 一般には、柔軟な文化、正義、学習、報告の順に多い。協働の文化、カイゼンの文化というのも現代なら追加されるかもしれない。しかし、いちばん困難なのは、「組織内の公平性」がいちばんたいへんかもしれない。
(『ヒューマンエラー』リーズン)


 「1つだけ、スタッフに接するときに気をつけていることは?」と聞かれたら、フェアであること(fairness)、と答えます。フェアではないふるまいは、間違いなくスタッフのモチベーションを下げます。リーダーがフェアであるというメッセージほど、強力なチームコンピテンシーは、ないのではないでしょうか?



一様な対応がフェアなのか? フェアとは何でしょう?。スタッフに同じ対応をとること?。これを本気でやりつづけた私は、スタッフと話ができなくなりました。たとえば、「あ、髪切った?。いいですね」という一言が、かけられない。なぜなら、スタッフ全員が髪を切ったことを見分け、「髪切ったねー」と全員にいう自信がなかったからです。当然、個別に飲みにいくこともなくなりました。もしも、全員が「飲みたい」といいだしたときに、対応できない、と考えたからです。



個別にフェアである ポートフォリオコーチングでスタッフの物語に考えるようになったころ。あ!、と気がつきました。それは、コミュニケーションを受け取る側にバイアスがある、ということです。「髪切ったね」の声かけを「気にかけていてくれる」と受け取るスタッフもいれば、相談にのることを「気にかけていてくれる」と受け取るスタッフもいるということです。つまり、見かけの一様な対応は、必ずしもフェアではないということです。



フェアがもたらすこと
 フェアへの期待は、本質的なモチベーション(=ひとりひとりの尊重)を生むことです。ですから、スタッフ本人に対して、「一様な気持ちでみんなのことを、尊重しているよ」、というメッセージこそが、フェアな対応だと思っています。


気づき)
 ・見かけの一様な対応は、簡単。
 ・本人をわかっていないとできないので、レベルが高い。
 ・まだ、道半ば

ヒューマンエラー―認知科学的アプローチ

ヒューマンエラー―認知科学的アプローチ