サンデル教授から学べた3つの強力な哲学者たちのスタンス


さて、今夜は「正義」の意味についていっしょに考えていきたいと思う。
それも、偉大な哲学者の考え方を検討することによってだ。
(「日本で「正義」の話をしようサンデル教授の特別授業」マイケル・サンデル


 サンデル教授の日本講演のDVDをお借りしました。拝見してみると、本当に多くのことを学べます。教授の手法は、簡単に真似できません。



 しかし、哲学者たちの3つの強力なメッセージは、すぐにでも参考になりそうです。



 引用するのは、東京講演の冒頭部分です。

さて、今夜は「正義」の意味についていっしょに考えていきたいと思う。それも、偉大な哲学者の考え方を検討することによってだ



だが、そうした考え方を吟味する際、われわれは自分自身で考え、おたがいの話に耳を傾け、議論し、討議するという方法をとりたい。



まず、正義に関する三つの哲学について考えてみたい。それは、「正義にかなう社会をつくるにはどうすればいいか。正義にかなう社会は何の中にあるのか」という問いへの三つの答えでもある。



一つ目の答えは、正義とは幸福の最大化であるというものだ。
(イギリスの功利主義哲学者、ジェレミーベンサム


二つ目の答えは、正義とは人間の尊厳と自律を、個人の選択の自由を尊重するということだというものだ。
(ドイツの哲学者、イマヌエル・カント


三つ目の考え方は、正義とは幸福を最大化することや、人間の尊厳を重んじることに尽きるのではなく、美徳と善き生を栄えあるものと考えて培うものである、というものだ。
(古代アテネアリストテレス

 この強力な3つのスタンスで、コンフリクトする命題を、職員や学生と考えることができます。意識せずに選択されている行動を、それは正しい行為だったのか?、正しいとすれば誰にとって正しいのか?、その理由は?、論拠をもって考えをシェアする習慣が、私たちが生きやすくなる一歩になるのかも知れませんね。



気づき)
 ・この3点に、サンデル教授の授業のエッセンスがつまっている
 ・いまさら?、といわれそうですが、いいんです。
 ・私たちの悩みは、すでに悩まれ済みである

日本で「正義」の話をしよう〔DVDブック〕 サンデル教授の特別授業

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