まずは「時・人・場所」に語ってもらおう

彼は何も知らないのに、
何かを知っていると信じており、
これに反して私は、何も知りもしないが、
知っているとも思っていない
(『ソクラテスの弁明・クリトン』プラトン著・久保勉訳)


 ソクラテスは、このように「無知の知」を説きました。私自身が薬剤師としてある分野のことを知らないことは、実はどうでもいいと思っています。問題は、自分がわかっていることとと、わかっていないことの「分かれ目」が見えているか?ということです。


 県の病院薬剤師会ので、FETP(実地疫学専門家養成コース)を履修された吉田眞紀子先生(亀田総合病院 感染対策室)から『感染症に関わる薬剤師の視点を考える』のお話を伺う機会をいただきました。

1.感染症の分布と発生の頻度をとらえる
 ・常に母集団を意識する
 ・集団発生を意識する


2.キーワードは、時、人、場所
 ・記述疫学の重要性


3.実地疫学は原因究明を目的とする
 ・現場で迅速に行う
 ・感染源/感染経路の解明
 ・対策のための調査

 まずは、これだけ。
 これだけで、何ができるか?思い巡らすと、結構あるはずです。研究の入り口はもちろん、いまある現場解決の素材、いや現場解決そのものの「解」が見えるかも。



 紹介されていたテキストは、こちら。

感染症疫学―感染性の計測・数学モデル・流行の構造

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Field Epidemiology

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Practical Healthcare Epidemiology

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  • 作者: Ebbing, M.D. Lautenbach,Keith F., M.D., Ph.D. Weoltje,Preeti N., M.D. Malani
  • 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
  • 発売日: 2010/04/15
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 アクションのためにまとめて、対策にいかす。Epidemic Curveを見れば、何がおこっていたのか、事実が語りだす。やっぱり、この感染症疫学の分野に、基本的な重要性を感じます。




 吉田眞紀子先生、ありがとうございました!




気づき)
 ・困ったことに対して、どうするの?というアプローチ。
 ・FETPは、初期導入コースがあるのですね。
 ・無知だな〜と気づいたときのやばさ、ラッキーさ。


ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)

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