本物ってなに?大切なスイッチが入る瞬間 薬学生実務実習(10)


 久しぶりに、緊張しながら病院に向かった。ボクは本物を学生に見せられるのだろうか。ボクのスタッフは、学生に本物を見せているのだろうか。。。という昨日からの問い。

 なぜなら、自分が病院の薬剤師になったは、繰り返しで申し訳ないけど、「たぶんそれは、薬剤師のカッコイイ姿をみたから。たぶんそれは、治らない患者さんの姿をみたから。」そこに、本物の病院薬剤師の姿を見たから。



 だから、学生にも本物を見てほしい。



>  インターネットではなく、まだまだ、本物を見せないといけない。
>  僕は、ちゃんと薬学生に本物を見せてあげられているのだろうか。



 そういう思いを背負って、出勤した。


 病院の薬剤師の仕事って何なのか?。


 この情報リサーチの課題を、学生3人はきちんと仕上げてきた。

・本、新聞
・パンフレット、雑誌
・インターネット
・アンケート
・インタビュー


 すべての項目を埋めてきた学生もいし、インターネットとインタビューだけの学生もいる。でも、それぞれにみんな調べたり、聞いてきた成果だ。


 よく調べたね。
 というフィードバックのあとに、間をおいて、もう一度、聞いてみた。



「本物って何?」
「病院薬剤師の本物って、なに?」、と。


 すると、「本物の病院薬剤師は、きちんと医師や看護師とやりとりをしたりできる。」「チームの中で、薬剤師としての力を発揮できる」という理想の病院薬剤師の姿が、学生たちから語られた。




 そして、もう一度、ボクはきいた。
「それじゃあ、この病院に、本物の病院薬剤師はいる?」、と。




 場は、一瞬にして、引いた。
 引いたな、とボクは感じた。



 すぐに、ある学生が「ワルファリンのコントロールを指示した薬剤師」と「ペインコントロールをフォローした薬剤師」のことを語りはじめた。



 そのときに、ボクは、はっと、気がついた。
 あっ、この学生は、本物の病院薬剤師を見れたんだ、と。何についてどのくらい?、という課題はあるものの、学生の目は本物を見たことを語っていた。




 週末最後のミーティングに向かう途中、ボクは考えた。
 どうしてその学生には、本物の病院薬剤師が見えたのだろう、と。




>  インターネットではなく、まだまだ、本物を見せないといけない。
>  僕は、ちゃんと薬学生に本物を見せてあげられているのだろうか。


 そうぼやいた私に、鈴木敏恵先生がフォローしてくれた、次のメールを思い出した。

コーチン
「本物ってなに?」
「例えば?」
「なんでそれが見える必要があるの?」


・いつ本物に出会えるのか?
・職業って、インターネットにあるのか?
・本物って、例えば何なのか?
・どうなっていたら、本物が見えるのか?
・どうして、本物が見える必要があるのか?


 学生も、私も、大切なスイッチが入った瞬間だった。



気づき)
 ・たいへん貴重な場面を経験しました
 ・なぜ、本物に出会う必要があるのか
 ・鈴木敏恵先生>来週も引きつづき、ライブフォローよろしくお願いします!