ありのままの自分、それでも期待や見栄もあって

依存症を次のように定義してもいいかもしれない。それが自分のためにならないという充分な証拠があるのに、それに熱中することをやめられない状態のこと。
「愛しすぎる女たち」(ロビン・ノーウッド, 落合 恵子)

 患者会から原稿依頼をいただきました。伝えたいテーマはたくさんあったのですが、ちょうど「脱法ドラッグ」と「依存」について調べていましたので・・・。よい機会をいただき、ありがとうございます。


 以下、書きかけの原稿全文です。

美女と野獣」のお話は、野獣に囚われた末娘が、その求婚に応えると野獣は本来の姿に戻るという結末です。このフランス民話は末娘が「王子様になって!」などと願わずに、そのままの野獣を愛したから、ありのままの人間の自分に戻れた、という教えが受け取れます。


 そのままの野獣を愛す。ありのままに人を受け止める。人を信じる姿勢が求められます。自分オープンにするには勇気がいるので、たいてい人は変容してしまう。「仕事しすぎ依存」「買い物依存」「アルコール依存」・・・。つまり、「必要とされていることへ依存するリスク」を私たちは、持っているのです。


 薬物依存も構造的には同じです。シンナーや覚せい剤、薬物依存者は増えつづけています。年間800人前後の県内検挙者数は、減少の見込みがありません。


 「父はいつも家を留守にしており、ある日金融業者から金を返すよう脅され、身勝手な父に腹が立ち、お願いだから死んでくださいと思った」会社員女性の訴え。ただ罰を受けただけでは、薬物依存はやめられません。


 「JWH―018」「カンナビシクロヘキサノール」「MDPV」「4―メチルメトカチノン」は、薬事法の指定薬物として麻薬に指定されるようになりました。薬の形(構造式といいます)を少し変えれば規制外になるので、脱法と規制の追いかけっこは続くでしょう。


 合法性を問わず、自分の意思ではやめられない薬物依存は、社会のなかで作られる病気という側面もあります。

気づき)
 ・ちょっとまだ内容が荒い。
 ・国語の授業は苦手でしたが、原稿を書くはたのしい
 ・600文字以内で

愛しすぎる女たち (中公文庫)

愛しすぎる女たち (中公文庫)