制酸剤による市中肺炎のリスク

 06月02日[火]に紹介した制酸剤による院内肺炎のリスクより以前に、制酸剤による市中肺炎の報告がでていた。
 Risk of Community-Acquired Pneumonia and Use of Gastric Acid-Suppressive Drugs
 (JAMA 2004;292:1955-1960.)

・肺炎の頻度が100人年に対して、非制酸剤使用で0.6、制酸剤使用で2.45。
・肺炎補正相対リスク:中止後と比較
 PPI 1.89(95%CI 1.36-2.62):
 H2阻害剤 1.63(95%CI 1.07-2.48):
 PPIは用量依存的関係、H2RAはその影響は限定的。


 ところでなぜ、制酸剤で肺炎になるのか?

 腰痛などへの消炎鎮痛薬との併用で胃薬(制酸剤,H2ブロッカー)を常用し,胃液のpHが上昇していることも,病原性細菌繁殖を増強する。

日本老年医学会雑誌 45巻3号(2008:5)