2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

クロルヘキシジンスポンジの週1回ドレッシング剤交換でカテーテル関連感染は減少するか

クロルヘキシジンに浸されたスポンジ(CHGIS)で頻回にドレッシング剤を交換しないカテーテル関連感染(CRIs)の予防効果。 Chlorhexidine-Impregnated Sponges and Less Frequent Dressing Changes for Prevention of Catheter-Related Infections in Criticall…

なぜ信頼区間は95%が多いのか?

「20回に1回は、まれ」だろうという統計学的な慣例らしい。臨床研究デザイン―医学研究における統計入門作者: 折笠秀樹出版社/メーカー: 真興交易医書出版部発売日: 1996/09メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る 20回に1回くら…

人は語りたい

EBM勉強会の帰り道に、どなたかが「NBMも感動したんですっ」といっていたのを聞いて、昨年の谷田憲俊先生の言葉を思い出した。Narrative Based Medicineは、まだ私にはよくわからない。先生からのイメージはこんな感じだったか。Narrative Based Medic…

論文を読むチェックリスト(2)CONSORT声明(日本語版)

CONSORT(Consolidated Standards of Reporting Trials;臨床試験報告に対する統合基準)声明。支持するjournalは増えつづけ、RCT報告の質が改善されてきているそうだ。論文を「モニター」することで、不明確な論文の件数が低下したという。 ふりかえりがさ…

NNTは期間に依存する

人生の半分は予定されたことで、のこり半分は「偶有性contingency」を歓迎したい。「不意打ち」な出会いは、心のダイナミックレンジを揺り動かす。(覚え書き)NNT ; number needed to treat:治療必要数 ─────────────────────────────────── ・NNTは、…

クリニカルパールの伝言

Clinical peal。カタカナでも綺麗。「クリニカルパールは診断への知恵をちりばめた、記憶しやすく、時に診断のプロセスのユーモアも加味した、とても貴重な格言です(週刊医学界新聞、2817号、P.2より)」。診断に関わらず、きちんと患者さんと向き合ったと…

論文を読むチェックリスト(1)英語文献なんて怖くない

環境感染学会で衝動買い。森實先生の著書なので、表紙はやさしくても手強いことは覚悟していた。 「本当に英語じゃん」と医師にいわれたくらい、英語の本だった。単数形、複数形なんて気にしていなかったし、JAMAのUse's guide以上にCONSORT声明のチェックリ…

運動と食事、どちらに気をつかうか?

JAMA, December 5, 2007; 298: 2507 - 2516. Cardiorespiratory Fitness and Adiposity as Mortality Predictors in Older Adults(結論)体力も、食事も影響する。しかし、BMI、ウエストまわり、体脂肪率が悪くても体力があれば死亡率は50%に減少する…

Do the right things & Provide honest

"Do the right things." 最近は、この言葉を呪文のように唱える。ルシアン・リープ氏が、"WHEN THINGS GO WRONG"の日本語翻訳版への特別メッセージとして寄せたフレーズ。医療安全にかかわらず、判断は損得なく「正しいことをっ!」という気持ちで、この言葉…

魚市場から医療現場へ

かかりつけ医の話を伺ったときに、へぇ〜と思った。「複数の専門家が診てくれるけれど、誰も責任をとってくれない」医療難民が多い。だから、がんなどで専門病院に行く前から患者さんと終末期には相談をしておいて、不安をかかえてもどってきたときに、どう…

高齢者の副作用は何を注意するか、1997年カナダ

薬物療法でとくに高齢者への副作用を注意する論文がいくつか発表されています。副作用の評価なので、発生数を母集団で計算するよりは、「意見」を中心にまとめることになるのでしょうか。 CMAJ. 1997 Feb 1;156(3):385-91. Defining inappropriate practices…

CHEST Medical Writing Tips of the Month:001イントロダクション

Professor BarronによるCHESTの卒後教育コンテンツから。このシリーズは、医療論文のTipsが毎月紹介されているので、メモ。 CHEST Medical Writing Tips of the Month Introducing “Medical Writing Tips of the Month” A New Section in CHEST 出だしは、こ…

薬害と薬事法

看護学校で質問を受けたので、薬害と薬事法の変遷についてメモ ─────────────────────────────────── サリドマイド 1967年薬務局長通知 承認制度全般、副作用モニター、再評価、GMP スモン 1979年薬事法の改正 緊急命令、廃棄、回収、承認取消権限、副作…

医療安全の3大基本書(3)患者の安全

「患者の安全って、どういうことか、言葉でいえますか?」 " Patient safety is the prevention of harm to patients. " 海外の先生方の講義は、きちんと定義を教えることからはじまることが多い。概念の内容を明確にすることが、本質だからだろう。 このテ…

医療安全の3大基本書(2)医療の質

“Knowing is not enough; we must apply. Willing is not enough; we must do.”-Goethe 受けている医療と受けられるはずの医療との間には、小さなすき間というよりは深い谷間(chasm)が横たわっている。 いい治療は、向こう側にあるのに、深い溝を降りて登…

医療安全の3大基本書(1)To err is human

"To err is human"とくれば、"To forgive divine" で、許すのは神。神様に許してもらう前に、事故には組織性があるぞ、という視点は十分に共有された10年。 自治医大の先生の話は、いつでも面白い。講演前に聴衆の温度を察してその場でスライドを書きかえ…

お客さんではなく、でもまわりからはいっていく(Situated Learning)

Situated Learning: Legitimate Peripheral Participation (Learning in Doing: Social, Cognitive and Computational Perspectives)作者: Jean Lave出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 1991/12/12メディア: ペーパーバック クリック: 2回…

その論文を書く前に、倫理を(5) CIOMS

CIOMS(Council for International Organizations of Medical Science;国際医学団体協議会)は、1949年にWHO(世界保健機構)とユネスコとの協賛により設立。CIOMS-I:個別症例報告様式の標準化ができて、、CIOMS-II:安全性に関する定期報告様式をもとに、…

その論文を書く前に、倫理を(4) ヘルシンキ宣言

倫理の覚え書き。大御所のヘルシンキ宣言。 2008年10月までに、35の項目が宣言されている。 ─────────────────────────────────── ・1964年、Declaration of HELSINKI(ヘルシンキ宣言)、研究倫理の基本 ───────────────────────────────────History and Th…

国立感染症研究所の実地疫学専門家養成コース

国内で、感染の疫学といえば、国立感染症研究所。 2年間で5名ごとの狭き門だが、実地疫学専門家養成コース Field Epidemiology Training Program Japan (FETP-J)がある。 http://idsc.nih.go.jp/fetpj/term10.html

風のようなフレーム

銀座のシャツ専門店SCHIATTIのスタッフが、紹介してくれたショップへ。薄暗がりにいくつかランプ。午後の日差しは何十本ものロールにまかれた生地を照らして、白やピンク、ブルーの生地が映える。 さすが、シャツ屋が勧めるお店だ。対応してくれた店長が、粋…