2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

薬害を覚悟する本 2)怖くて飲めない!―薬を売るために病気はつくられる

「まあ、ガイドラインも製薬会社の手が回っちゃっているし。」 2冊たてつづけに製薬会社が病気を作り、その薬を売っている現実を考えたら、私たち薬剤師の役割は何だろうと真剣に悩んだ。 そこに、中堅医師が「まあ、手が回っちゃっているし。」何でもない…

¥薬害を覚悟する本 1)プロザックを食べればいいじゃない

うつ病が作られる 病気が作られる時代にはいった。 製薬会社が病気を作って、薬を売る。 =製薬会社が治療のガイドラインを変えて、自社の薬をガイドラインにのせる。 医師も、患者も何もできない。 著者の講演会を開いてくれた薬害オンブズパーソン、そして…

CGA(Comprehensive geriatric assessment)高齢者総合評価

*すばらしいです。先生が監訳されたご著書。プライマリ・ケア老年医学作者: ジョン・P.スローン,John P. Sloan,藤沼康樹出版社/メーカー: プリメド社発売日: 2001/10メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 31回この商品を含むブログ (1件) を見る*Dr. John …

家族性高コレステロール血症へのスタチンの効果:長期間のコホート研究

──────────────────────────────── ・スタチンの投与で、一般の人と同じくらいの心疾患リスクにもどる というイメージだろうか ・12年という期間で、やっと安定した効果がでたいい論文だと思う ・低用量といってもオランダでも、かなり高用量を使っている…

糖尿病の強化療法で異なる結果 2)ADVANCE試験

こちらは、ADVANCE試験Intensive Blood Glucose Control and Vascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes The ADVANCE Collaborative Group N Engl J Med. 2008 Jun 12;358(24):2560-72. (C)小血管性疾患抑制効果はあった

定型、非定型の抗精神病薬で突然の心臓死リスク

リスクは知っておかないといけない。 原著は、非定型抗精神病薬と突然の心疾患死だが、まとめは、定型向精神病薬も同様、と書いてあるので、このブログの題もそのように修正しておいた。 心にとめておくべき安全性情報だ。──────────────────────────────── …

糖尿病の強化療法で異なる結果 1)ACCORD試験

糖尿病強化療法で2つの臨床試験で異なる結論。 ACCORD試験とADVANCE試験、どちらの試験でも大血管性疾患予防効果は確認されなかった試験。 しかもACCORD試験では強化療法群のほうが心血管疾患による死亡率が有意に高かった。ただし、ADVANCE試験では小血管…

デュロキセチン(SNRI)が糖尿病性末梢神経障害と線維筋痛症を改善して、腹圧性尿失禁症状にも効果があるかもしれない、って?

──────────────────────────────── ・Duloxetine(SNRI)がずいぶん騒がれています。 もともとは、うつ病、糖尿病性末梢神経障害の痛みの薬剤。 →これが線維筋痛症(FMS)の痛みを軽減し、腹圧性尿失禁症状を改善するらしい。 →何の薬やら。 →イーライリリーは…

ピロリ除菌をしても胃がんには関係ない

中国のハイリスク層における胃癌予防のためのヘリコバクターピロリ除菌Helicobacter pylori eradication to prevent gastric cancer in a high-risk region of China: a randomized controlled trial. JAMA. 2004;291:187-194. ────────────────────────────…

論文の書き方(1) FIRMNESS

FIRMNESS F = Feasible I = Interesting R = Relevant M = Measurable N = Novel E = Ethical S = Structured S = Specificこちらは、この日本語の書籍から。リサーチ・クエスチョンの作り方 (臨床家のための臨床研究デザイン塾テキスト)作者: 福原俊一出版…

日本だけのローカルドラッグ

Approval of new drugs in the United States. Comparison with the United Kingdom, Germany, and Japan JAMA. 1996;276(22):1826-1831.──────────────────────────────── ・日本の医薬品の承認が甘い!ことを示した10年前の論文。英国、米国、ドイツ、日…

ジゴキシン血中濃度は0.8ng/ml以下が望ましい

ジゴキシンの血中濃度に最適値があった。当時はショックだった死亡率論文。 N Engl J Med. 1997 Feb 20;336:525-33. ぜったいにjournalを読もう!、と決めたのはこのころ。 ──────────────────────────────── ・大学時代に習ったジゴキシンの有効域は、0.5〜…

ジゴキシンを飲んでも死亡率が下がるわけではない

ジゴキシンを飲んでも死亡率は下がらないけれど、入院はしないかもしれない。 1997年にこの結果を知ったときには、ショックだった。ジゴキシンで長生きができると思っていた。小さなあの錠剤を一生懸命服用しているご高齢の患者さんの姿。 薬の効果って、何…

「手洗いをしよう!キャンペーン」で、MRSAは減少する

Lancet. 2000 Oct 14;356(9238):1307-12.Effectiveness of a hospital-wide programme to improve compliance with hand hygiene. Infection Control Programme.【背景】 手指衛生は、病院の交差感染を予防する。しかし、推奨されている方法の遵守は一般的に…

抜歯後のクロルヘキシジンのうがいで、菌血症が低減

Infect Control Hosp Epidemiol 2007;28:577?582 Effect of a Chlorhexidine Mouthwash on the Risk of Postextraction Bacteremia リステリン、モンダミンなどの口臭が減るイメージのあるうがいクスリ。 ヒリヒリ感が私には強すぎる。エタノールがはいって…

薬剤師による服薬指導で、臨床上の結果がでた例

めずらしく薬局関連の論文が、JAMAに掲載されている。────────────────────────────────────── ・薬剤師の服薬指導が、服薬のコンプライアンスをあげて、血圧やコレステロールを低下させる ・こういう論文を作成したい ・アドヒアランスという言葉も使わ…

ビスフォスフォネートを中止してもいいタイミングは?

ビスホスホネートを5年間服用後、投与を中止しても骨折率は増加しないらしい。JAMA, December 27, 2006; 296: 2927 - 2938.Effects of Continuing or Stopping Alendronate After 5 Years of Treatment: The Fracture Intervention Trial Long-term Extensi…

幸せは感染する

昨年の論文。 幸せは感染する、という医学系の雑誌で論文が発表された。BMJ 2008;337 ────────────────────────────────────── Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study…