在宅でフェイスマスクと手指衛生か?

 手指衛生だけではなくフェイスマスクも着用すると、インフルエンザの伝播予防には、効果があるらしい。

在宅におけるインフルエンザ伝播予防のためのフェイスマスクと手指衛生
Facemasks and Hand Hygiene to Prevent Influenza Transmission in Households :A Randomized Trial
Ann Intern Med. 2009 Aug 3.

背景:インフルエンザウイルスの伝播を予防するための手指衛生やフェイスマスクのような非薬物療法的な介入の有効性について有益なデータは少ない。
目的:手指衛生やフェイスマスクの使用が、インフルエンザの在宅での伝播を予防するか、調査をすること。
デザイン:クラスター無作為化比較試験。無作為化はコンピュータで行い、治療する医師やクリニックを盲検化し、個別の在宅訪問するときに調査担当の看護師による実施を割り付けた。参加者と介入を管理する部門は、グループ分けに関して盲検化しなかった。
場所:香港の在宅
参加者:迅速試験でA型かB型のインフルエンザウイルスに陽性で、インフルエンザ様の症状がでた外来患者407名と、259家族のうち795名の家族(接触あり)407名
介入:全家族のうち、ライフスタイルの教育(比較群)(134名の家族)、手洗い(136名の家族)、またはフェイスマスクと手洗い(137名の家族)。
評価:RT-PCR、もしくは7日後の臨床的な診断で確認された、接触した家族におけるインフルエンザウイルス感染症
結果。259家族のうちが60家族(8%)が、介入後7日目にRT-PCRが確認された。フェイスマスクのあるなしに関わらず手洗いは感染率を減少させるようにみえたが、対照群と比較して有意差はなかった。適合患者の症状がでてから36時間以内に介入が実施された154家族のうち、RT-PCRで確認された感染伝播は、手洗いとフェイスマスクの着用で、減少(補正されたオッズ比0.33;0.13-0.87)した。介入へのアドヒアランスは、様々だった。
限界:適合患者の発症から介入までの遅延と、介入の多様性が介入効果を弱めてしまった。
結論:手洗いとフェイスマスクの着用は、患者の症状発生から36時間以内に実施されれば、インフルエンザウイルスの伝播を予防するようだ。これらの結果から、非薬物療法による介入は、パンデミックとその狭間期を和らげるのに重要である。