ブレない関係のためにもっとも優先したいこと「自己ブレ」


教えることの非常に重要な部分は、聴くことだと思っています。
マイケル・サンデル , 小林 正弥 「サンデル教授の対話術」)


 会議や討議の場で意見をいえないことが、あります。一言も発言ができなかったときには、敗北感すら感じてしまう。反面、私がコントロール立場にある相談や会議で「相手がどう思っているのか?、どうもよくわからないな」と思うときがあります。

 医療コンフリクトマネジメント、東京大学総合教育研究センターの中原淳先生のダイアログ、そして、サンデル教授の対話を学びながら気がついたことが、1つ。



 どうなっていれば、お互いの意見をいえるのか?



 それは、大前提として、相互尊重の関係があるか?、にかかっているようです。



1.ディスカッションにいたるまでの3ステップ

 3つのステップにまとめると、それぞれこんな感じでしょうか。いずれも、ほしいアウトカムは、”ステップ3”の部分なのです。しかし、ステップ1や2を飛ばして、到達することはできないようです。

  コンフリクトマネジメント ダイアログ サンデル教授
Step3 Issue 議論・決定 判断
Step2 Position ダイアログdialog 再定式化reformulate
Step1 Interest 交流 聴くこと


2.3つのステップをフォローする
 3つのステップをフォローする語りかけ(コーチングメッセージ)は、何か?、考えてみました。ここは、もうちょっと豊かにする必要がありそうです・・・。

Step3 あなたなら、どうしますか?
Step2 ・・・についてどう思っていますか?
Step1 いかがですか?


3.受け入れて(=自分がブレる)、相互にブレない関係になる
 さて、Step 1の信頼関係を作ることは、大切なのですが、現実にはなかなか困難です。医療コンフリクトマネジメントでは「インタレストは変わっていい」という寛容な姿勢をキープする必要があります。
 そして、中原先生のラーニングバーでは、参加者に気持ちよく学んでもらうために、「自分なりのホスピタリティ(おもてなし)を発揮するように」と声をかけているようです。また、サンデル教授も、「教えることの非常に重要な部分は、聴くことだと思っています。」と述べています。


 筋書きができたブレない議論や相談を、こちらはしたいものです。100%分かり合うことのない他人を受け入れることは、こちらの自己がブレて、相手になびく必要があります。ブレながら受け止める。これは、安全地帯としての自己の足場がしっかりしていないと、ダメですね。マザーベースが弱いと、揺れるのは、本当に怖いですから。相手への尊重、受け入れ、礼節な態度をキープすることこそ、高度なことで、これができると結果的にブレない関係につながるのだと思います。


気づき)
 ・と、気づいたのはいいのですが、できるか?は、別。
 ・自己ブレができない人同士では、固い関係のままかも。
 ・意見を再定式化 reformulate する方法は、別の機会に整理しましょう。

サンデル教授の対話術 ( )

サンデル教授の対話術 ( )