実習中でいちばん困った場面は、なに? 薬学生実務実習(34)

(こんな図を描いてみた・・・)


 壁に貼り出したテーマは、こちら。

これから実習に向かう薬学生のために、実習を経験した私たちがつくる
『こうすれば、患者さんの症例へ接したときのアプローチの仕方』提案集をつくる!


 図を描きながら、学生に話しかけた。


「1月10日にこの病院にはじめて来た。
 病院を歩いて、だんだんと薬局にも慣れていった。
 病棟にも行くようになった。
 自分の患者さんを受け持って、6週間経って、症例発表もしてみた。」



「さて、これまでの道のりで、いろいろな場面があったことと思う。
 はじめて担当薬剤師と病棟に行った場面。
 受け持ちの患者さんを決める場面。
 患者さんと話をした場面、スタッフと話をした場面。
 症例報告までに、カルテやテキストやいろいろな調べ物をした場面。


 思い出してほしい。


 そのなかで、いちばん困難だった場面は何?
 あれっ!とか、たいへんだったシーンは何?」



 わたしは、学生たちが口を開くのを待った。


 「そういう場面、あった?」

 もう1度聞くと、堰を切ったように、学生たちは語り始めてくれた。

水疱性類天疱瘡の症例を受け持ったけれども、カルテには皮疹のことが何も記載されていなくて困ったこと。

患者さんに「ステロイドがもうない」といわれ、処方履歴に記載がなく、前医からの持ち込みであることがわかって、副作用のチェックが必要だったこと。

気難しい患者さんにキツイことをいわれ、病棟に行くのいやだな・・・と思っていたら、担当薬剤師が「ほら、病棟行くよっ!」と声をかけてくれて・・・


 どれも実際にあった場面で、本人たちが困難さを感じた場面。
 本人たちは、それを乗り越えてきている。
 いまなら、もっとうまく乗り越えられるかも知れない。



 経験のなかで学習したことを自分でコーチをしながら、他者(他の薬学生)のために、役立てる提案をつくってほしい。これからの学生も同じ場面を経験するかも知れないから。



 本当に、いきいきとした提案集ができそうな予感がしています。




気づき)
 ・チームゴールを明確にして、困った場面を引き出す
 ・ポートフォリオのなかに、場面がはいっている
 ・かならず、いきいきとしたその学生だけが経験した場面がある



 ポートフォリオとプロジェクト学習&薬学生
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